大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和47(あ)2313 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人豊島武夫の上告趣意第一点は、原審裁判所が上告趣意書の差出最終日以前

に当該事件の訴訟記録を上告裁判所に送付したため、被告人に上告理由追加の機会

を与えなかつた旨の主張を前提として違憲(憲法一三条、一一条、三二条、三七条、

三一条違反)をいうが、上告趣意書を差し出すべき最終日は、上告裁判所が訴訟記

録の送付を受けた後にこれを指定すべきことは刑訴規則二六六条、二三六条一項の

定めるところであるから、所論違憲の主張は前提を欠き、上告適法の理由とならず、

同第二点は、判事補の職権の特例等に関する法律一条一項ならびに一条の二が裁判

官の任命手続に関する規定であることを前提として、同法律の右条項ならびに裁判

官福島裕の関与した原判決の違憲(憲法八〇条違反)をいうが、判事補の職権の特

例等に関する法律一条一項ならびに一条の二は、裁判官の任命手続に関して規定し

ているものとは解せられないから、所論違憲の主張はその前提を欠き、同第三点は、

判事補の職権の特例等に関する法律一条一項により指名を受けた判事補を構成に加

えた高等裁判所の部と、かかる判事補を構成に加えない高等裁判所の部との間に差

別のあることを前提として違憲(憲法一四条、三一条違反)をいうが、最高裁判所

が判事補で裁判所法四二条一項各号に掲げる職の一または二以上にあつて通算五年

以上になる者のうち、判事としての職権を行使させることを適当と認めた者に対し、

特に判事補の職権の特例等に関する法律一条一項に基づく指名をしているものであ

るから、所論違憲の主張は前提を欠き、また、同第四点は、憲法三一条違反をいう

が、その実質は単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理

由にあたらない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主

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文のとおり決定する。

昭和四八年七月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 藤 林 益 三

裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

裁判官 岸 上 康 夫

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